Z世代の特徴から学ぶ中小企業の人材戦略

こんにちは、御殿場市で経営コンサルタントをしている中小企業診断士の千葉達也です。

先日、テレビで「大転職時代」というテーマでZ世代の就職や転職意識が報道されました。
近年の企業側の悩みである人手不足問題を解消するためには、Z世代をはじめとした若者の意識を上手く汲み取り人材戦略を立てる必要があると感じたので、その方法を記載していきたいと思います。

1.Z世代とは

1990年代半ばごろ~2000年代前半ごろに生まれた世代を指す言葉です。生まれたときからインターネット環境が整っており、デジタルネイティブ世代に当たります。また、生まれたときから日本の経済成長の停滞や終身雇用の崩壊などを理解していることから、会社でのキャリアアップより自分自身のキャリアアップを望む傾向が高いです。それ故、帰属意識が低く転職への抵抗も低いです。

出典:マイナビ転職者の年代比率推移/転職動向調査2024年版(2023年実績)

2.Z世代の就職や転職意識に関する特徴

Z世代の就職や転職意識には以下のような特徴があります。

1. 誰と働くか重視
Z世代は「一緒に働く社員」を期にする傾向が高く、配属ガチャ(どこに配属されるか分からない不安)に対して非常に不安を持っています。

2. キャリアアップのための転職
Z世代の中でも意識の高い人は、大企業に就職してブランド力と基礎的なビジネス力を身につけた後、スタートアップ企業への転職を前提としています。

3. 企業に求める条件
Z世代の大学生は、福利厚生、出産育児の両立、テレワークやフレックス制などの柔軟な働き方を求めています。また、若いうちから裁量権を持てることや、新規事業に挑戦できる環境を重視しています。

4. 副業の容認
Z世代は副業を通じて得たスキルを本業に還元したいと考えています。これは多様な経験を積み、自分の市場価値を高める意識が強いことを示しています。

上記の通りZ世代が企業に対して求めている内容は様々に見えますが、本質は共通しており、自分自身のレベルアップと働きやすさを望んでいます。また、社会の変化が早いことにも理解しており、常に自分の居場所を確保できるようにしています。

3.Z世代の特徴を踏まえた中小企業の人材戦略

中小企業がZ世代を効果的に採用し、長期的な人材戦略を構築するためには、以下のアプローチが有効です。

1. 配属先確約の導入 Z世代の不安を軽減するために、配属先を事前に確約する制度を導入することが有効です。これにより、内定辞退率の減少と、企業への安心感を提供できます。こちらは日立製作所も取り入れており、内定辞退率が顕著に下がったようです。

2. 柔軟な働き方の提供
テレワークやフレックス制など、柔軟な働き方を提供することで、Z世代が求める働きやすい環境を整えることが重要です。これにより、仕事とプライベートの両立が図れ、モチベーションの向上が期待できます。

3. 早期の裁量権付与と成長機会の提供
若いうちから裁量権を持てる環境を整え、新規事業に挑戦できる機会を提供することが、Z世代のキャリア志向にマッチします。これにより、彼らの成長意欲を引き出し、企業全体の活性化につながります。

4. 副業の容認と支援
副業を認め、社員が多様なスキルを磨ける環境を提供することが、Z世代の働き方にフィットします。経営者としては副業より本業に集中して欲しいと思いがあるかもしれませんが、社員が副業で得たスキルを本業に活かすケースも多いです。例えばSNSの伸ばし方やwebマーケティングなど。会社で学べないスキルを獲得して会社に還元することもあります。

5. 透明性のあるコミュニケーション
採用時のミスマッチを防ぐために、企業の情報をオープンにし、透明性のあるコミュニケーションを心掛けることが重要です。HPでの情報開示や採用プロセスの明確化により、信頼性を高めることができます。特に、自分の上司や先輩になる人が事前に分かると安心して入社が出来、離職率の低下も防ぎます。

この話があなたの経営改善のヒントになれば幸いです。経営に関するお悩みがあれば、

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出典:読売テレビ「ウェークアップ」